内向的な人でも、起業できるでしょうか?
実は私は、自他共に認める内向型人間です。
そんな私がセラピストとしてサロン開業し、開業コンサルタントとしても活動できたポイントがあります。
この記事では私の実体験をもとに、
- 内向的な人の起業のやりかたについて
わかりやすくご紹介します。
なお、そもそも内向的な人の起業にはどんな特徴があるか? については、下記の記事を参考にしてください。
内向的な人の起業でおすすめの2つの方法
内向型におすすめの起業の仕方は、下記の2つの方法です。
順番に解説していきます。
1. 内向的な人の起業のおすすめは「ひとりでできる仕事をする」こと
内向的な人におすすめの起業のしかたは、まずはひとりでできる仕事で起業することです。
専門的には、「スモールビジネス」とか「マイクロビジネス」などと言います。
スモールビジネスやマイクロビジネスは、内向型の性格的な特徴にフィットしています。
具体的には、下記のようなメリットがあります。
HSP/内向型がスモールビジネスをやるメリット
- 1-1. 組織の人間関係に煩わされることがない
- 1-2. 自宅など自分の好きな環境で働ける
- 1-3. 時間の融通が利きやすい
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1-1 組織の人間関係に煩わされることがない
内向的な人が苦手なもののひとつが、人間関係です。
苦手というか、人間関係を広げたり深めたりすることそれほど興味がない、というのがその本質でしょう。
外向的な人にとっては、例え浅い付きあいでも知りあいの数が多いことは、それなりに価値があります。
しかし内向的な人は、そうではありません。
そのため、組織の人間関係を煩わしく感じることが多いのです。
内向的な人が、ひとりでできる仕事で起業する。
これによって、人間関係の煩わしさから解放されるというメリットがあります。
1-2. 自宅など好きな環境で働くことできる
これは特に、内向的で繊細な人にとってはメリットかもしれません。
周囲の音や照明の明るさ、臭いや空気の流れ。
どうしてもこういったものが気になってしまう。
HSP という言葉もありますが、わかる人も多いのではないでしょうか。
HSP や内向的な人が、ひとりでできる仕事で起業する。
これによって、快適な環境で働けるようになるというメリットがあります。
1-3. 時間の融通が利きやすい
仕事内容にもよりますが、ひとりでできる仕事は、時間の融通が利きやすくなります。
内向的で繊細な人にとっては、時間の融通が利くと助かることも多いはずです。
繊細すぎるために、ちょっとした不調を感じることも多いからです。
内向型がひとりでできる仕事で起業するときのデメリットは?
ここまでお伝えしたように、HSP や内向的な人がひとりでできる仕事で起業することには、さまざまなメリットがあります。
では、デメリットはあるでしょうか?
デメリットといえるかどうかわかりませんが、HSP/内向型が起業したあとの、よくあるパターンについてお伝えしておきましょう。
それは、「低空飛行になりやすい」というもの。
ローリスク・ローリターンと言いかえてもよいかもしれません。
HSP や内向的な人は結果よりもやりがいなど内面的な充実感を大切にしがち
HSP や内向的な人は、結果よりもやりがいなど内面的な価値を大切にしがちなところがあります。
なので、
「なんとしてでも稼いでやるぞ!」
といった感じで結果にこだわることが、あまり得意ではありません。
「そこそこ楽しいし、まあこれでいいかな」
そんな感じなので、事業としては低空飛行になりがちかもしれません。
2. 内向的だからこそ信頼できる人とつながる仕事をする
内向型におすすめの起業のしかたのふたつめは、人とつながる仕事をするということです。
直接的でも間接的でもよいのですが、お客さんに対して何らかのサービスを提供したり、商品や作品を販売したりする。
このような起業のしかたをおすすめします。
理由は、内向的な人は、そうしないと本当に人と関わりあわなくなってしまうからです。
実は私が、そうでした。
しかし、ビジネスを長く続けていくならば、やっぱり人との関わりがあったほうがよいと思います。
ちなみに、人と関わらずにお金を稼ぐ方法って、どんな方法でしょうか?
例えば、アフィリエイトなどがそれにあたります。
もしアフィリエイトに挑戦するならば、事業全体のバランスとして、他に人とつながれる仕事もやることがおすすめです。
内向型人間のための在宅×スモールビジネス起業法
ここまで、内向的な人におすすめの起業のやりかたとして、
という2つの方法をお伝えしました。
じゃあ、具体的にはどうすればよいでしょうか?
ここで、「まずはじめの一歩について知りたい」ときは、下記の記事を参考にしてください。
この記事で私がお伝えしたいのは、「在宅でスモールビジネスで起業する」という方法です。
スモールビジネスというのは、文字どおり「小規模なビジネス」のこと。
なぜ内向型人間はスモールビジネスがおすすめなのか?
なんで、内向的な人に在宅スモールビジネスがおすすめなのでしょうか?
私の体験から言えることは、次の3つです。
在宅スモールビジネス起業のメリット
- 小さくはじめられてリスクが少ない
- 自分の好きなこと・得意なことを活かせる
- 自分のペースで仕事を進められる
内向的な人は、自分ひとりならまだしも、他人も巻き込んで何かをはじめるのは苦手です。
小さくはじめられることは、内向型人間とってメリットといえるでしょう。
また、結果(お金や地位・名誉)のために、割り切って仕事をすることも得意ではありません。
そのため、小回りのきくスモールビジネスがおすすめです。
スモールビジネスで起業する3つの方法
そこで次に、スモールビジネスで起業する3つの方法を紹介しましょう。
スモールビジネスの起業方法
- 会社員時代の経験や人脈を活かして起業する
- 資格などを取得して起業する
- オンラインで起業する
1.会社員時代の経験や人脈を活かして起業
実は私もここ10年ほど、在宅で仕事をしています。
まさに、スモールビジネスで起業したいという方のための相談業をやっています。
実は会社員時代にも少し経験があり、私もこのパターンにあたります。
2.資格などを取得して起業
これは例えば、アロマが好きな女性がその資格をとって、「自宅アロマサロン」を開業するといったパターンです。
3.オンラインで起業
最近は「スキルシェアサービス」というものがあります。
自身のスキルや経験などをいますぐ提供することができるサービスです。
スキルシェアサービスにはさまざまな種類があり、多くは無料ではじめることができます。
起業するタイミングは、20代後半〜30代前半、または40代以降が多い
では、具体的な起業のタイミングは、いつ頃でしょうか?
私のクライアントや見聞きした範囲で紹介しますと、20代後半〜30代前半、または40代中盤以降が多いイメージです。
30代は結婚や育児などで忙しくなる、という声が多かったです。
ちなみに私は、29歳のときに決断して、会社を辞めたのは30歳、独立したときは31歳でした。
好きなことで起業した人の収入と満足度は?
気になる収入面についてはどうでしょうか?
ここでは、資料に基づいて紹介していきましょう。
好きなことを仕事にして起業をした人について
- 事業の収入の多い少ないにこだわらず、仕事の目的として「自分の好きなことを自分でやること」を重視する開業者を「ゆるやかな起業家」と呼ぶ
- その他の起業家と比べると、ゆるやかな起業家には、相対的に女性が多い
- 「自由に仕事をしたかったから」起業した人が多い
このようなスタイルで起業している人が増えているそうです。
好きなことで起業した結果について
- 起業して収入が増えた人は、27.5%
- 起業して収入が変わらない人は、32.4%
- 仕事のやりがいに関して「かなり満足度」・「やや満足」な人は、74.9%
- 私生活の満足度は、68.9%
全体として、仕事のやりがいや私生活の満足度が高い印象。
仕事に意義ややりがいを感じることができて、楽しく作業に没頭できる。
仕事としては、とても幸せなことではないでしょうか。
内向的な人が在宅スモールビジネス起業したときにおすすめの考えかた
では、内向型人間が在宅スモールビジネスで起業するとき、どうすればよりうまくいくか?
私は、次の2つのポイントに気をつけたらうまくいくようになりました。
ニッチを狙う
私の場合は、「お客さんを絞りこむ」作戦がうまくいきました。
お客さんを絞りこめば、事業の内容もニッチなものになっていきます。
この方法は、内向的な人の特徴とも合っています。
多くの人とワイワイやるよりも、少数でも自分と相性のあう、より長くお付きあいさせていただけるお客さんを見つけていく。
お得意さんばかりの状況になってきますと、こちらの環境や状況も理解してくださるようになります。
その結果、より仕事が楽しく、時間の融通も利くようになりました。
仕事上のストレスも減りました。
お客さんとの連絡手段を絞りこむ
内向型人間は、騒々しいのが苦手です。
そこで私は思い切って、お客さんとのやりとりを「電子メールのみ」に限定したことにより、おだやかな時間が増えました。
実はそれまでは、土曜日の夜に特に緊急ではない要件でお客さんから電話がかかってくることもあったんです。
内向型人間は、どちらかというと「話す」よりも「書く」ことが得意な人が多いと思います。
メールなら、SNS やチャットのような性急なコミュニケーションも要求されません。
内向的な人には向いている手段といえると思います。
内向的な人が起業して感じた実際のメリットとデメリット
最後に、私の実体験にもとづくメリットとデメリットをご紹介します。
私は 2004年に独立しました。
2008年頃からは、自宅でひとりで働く状態に移行しました。
実は、途中で事務所を借りたこともありました。
しかし結局は、自宅の居心地がよく、いまも自宅で働いています。
そんな私が個人的に感じているメリットとデメリットを紹介します。
内向型起業のメリット
まずはメリットから。
1. とにかく、ストレスフリー
いちばん大きかったのは、とにかくストレスがなくなったことです。
起業して自由に仕事をしているのですから、当たり前なのかもしれません。
もちろん、まったくストレスのない状態がよいわけではない、とも思います。
ストレスにもポジティブなものとネガティブなものがあり、ポジティブなストレスがあったほうが、生産性は向上するからです。
2. 自由な時間が増えた
「自由な時間」といってもいろいろありますが、私の場合は「時間の融通が利きやすくなった」という感じ。
特にお客さんとの連絡手段を「メールのみ」にしてからは、かなり自分の生活が守られるようになりました。
このやりかたは、いまでも採用しています。
3. 充実感を得られる
実をいうと私、勤めていたときは、あまり充実感を得ることができていませんでした。
日々の仕事をとりあえずこなすだけで、将来への目標や、やりがいなども持ちにくかったのです。
起業をしてからは、よい意味で仕事に没頭することができ、やりがいも感じられるようになりました。
内向的な人は、内面的な充実感を大切にする傾向があると思います。
内向型起業のデメリット
次に、デメリットを紹介します。
1. いつでも自由なんだろうと思われ頼られがち
ひとりで仕事をすると、時間の融通が利くようになります。
でもそれって、「いつでも自由」というわけではありません。
なんだかんだいって急ぎの仕事もある。
この部分について、パートナーや家族などに理解してもらいにくいことがあります。
つまり、「融通が利く=いつでもOKなんでしょ」と思われがちなんですね。
家事や育児、ちょっとしたお使いなど、どんどん頼まれるようになる可能性があります。
他人に相談しても、「だって自宅で働いてるんでしょ?」で終わり。
仕事に支障がでてくる可能性もありますので、家族やパートナーと、しっかり話しあう必要があります。
2. ストレスはないが、プレッシャーはある
ストレスとプレッシャーは、別ものだと思います。
起業して、仕事をつづけていけるかどうか?
このようなプレッシャーはつきものです。
これは、会社員時代には味わったことのない感覚でした。
プレッシャーが必ずしもデメリットになるとは限りませんが、あらかじめ覚悟しておく必要はあるかもしれません。
3. やめどきが難しい
内向的な人は、比較的慎重なところがあるようです。
小さくはじめることができれば、失敗しても大きなダメージになりません。
ただ、好きなことを仕事にしてしまうと、やめにくくなってズルズル続けてしまうことがあります。
ここがちょっと難しいところです。
ひとりで考えすぎず、誰かに相談できるようにしておくとよいでしょう。
まとめ:自分でコントロールできる仕事
まとめます。
内向的な人は、仕事を自分のコントロールできる範囲内におさめるように心がけることがおすすめです。
事業規模や人とのつながりが、自分でも想像できないくらいにひろがっていく。
こういったことを楽しめるのは、外向的な人です。
内向的な人は、逆に不安を感じてしまうことが多いでしょう。
とはいえ、まったく人と関わらないというのも、あまりおすすめできません。
内向型であっても、信頼できる人との付きあいは好きな人が多いです。
仕事でも、信頼できる人を選ぶ。
そしてその中で、積極的に交流をしていくよう心がけるとよいでしょう。
なお、内向的で生きづらいときにどうすればいいか? については、下記の記事を参考にしてください。