自分ではそのつもりはないのに、他人をうらやむ気持ちを抑えられなかったことってありますか?
例えば私の同級生は、一流企業で活躍して、2,000万円以上もの収入をもらっているそうです。
その話しを聞いたとき、私は顔では祝福をしました。
しかし心の中は、嫉妬でいっぱいでした。
恋愛や結婚でも、ついついそんな気持ちになってしまうことってありますよね?
もしかするとそんなときは、自分がどうありたいか? がブレているのかもしれません。
自分のありかたがしっかりと定まっていれば、そこまで心が動じることもないでしょう。
そこでこの記事では、 そんな私自身の体験をもとにして、
- 自分がどうありたいか? について考えることの大切さとその見つけかた
について、わかりやすくご紹介します。
自分がどうありたいかとは?
そもそも「自分がどうありたいか」について考えるって、どういうことでしょうか?
例えば小さな子供は、自分について考えることはありません。
しかし成長するにつれて、自分に対する意識が芽生えてきます。
そして自分に対する意識が芽生えるにつれ、「自分自身でありたい」という欲求を持つようにもなります。
自分自身であるとは?
じゃあ、自分自身であるって、どういうことでしょうか?
自分自身であるとは、
- 自分ならではの個性や、ありのままの自分という存在を自分で認めてあげること
と考えてみてください。
そしてさまざまな経験を通して、「私はこういう人間だ」という、自分ならではの一貫した価値観をつくりあげていきます。
「私はこういう人間だ」という一貫した自覚のことを「アイデンティティ」と呼びます。
仕事を辞めて独立して自分を取りもどした私の体験
個人的な体験ですが、会社員時代の自分は、ありのままの自分を認めることができていませんでした。
環境や働きかたが、自分にあっていなかったのでしょう。
そこで30歳のときにセラピストの学校に通い、リラクゼーションサロンを開店しました。
この経験がもととなり、さまざまな方の起業や開業の相談を受けるようになりました。
もしあなたも、仕事について「自分のありかた」について迷っていらっしゃるならば、下記の診断を受けてみてください。
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さまざまな自分の顔
「私はこういう人間だ」という一貫した自覚のことをアイデンティティと呼ぶ、とお伝えしました。
しかし人のアイデンティティは、ひとつではありません。
理由は、人は成長して大人になるつれて、さまざまな役割を持つようになるからです。
そして、その役割に応じたアイデンティティを持つようになっていきます。
例えば、
- 母としての自分
- 会社員としての自分
- 女性としての自分
など。
このような「さまざまな顔」を持つことを、「複合アイデンティティ」などといいます。
人はさまざまな顔を持っているが別人ではない
ただし、さまざまな顔を持っていても、それらはバラバラというわけではありません。
上の図のようなイメージです。
さまざまな自分を持っているけれど、それらを含めた自分という存在がある。
自分自身であるということは、こんなイメージなんだ、と思ってみてください。
自分がどうありたいかとは?
人は成長するにつれて、「私はこういう人間だ」という自分ならではの価値観をもつようになります。
しかし同時に、大人としてさまざまな顔を持つようにもなります。
自分がどうありたいかを考えるということは、
- ひとりの人間として、状況や役割に応じたさまざまな顔を持ちながらも、それらを包含するような価値観について考えること
と言えるのではないでしょうか?
でも、そんな自分について考えることって、本当に大切なんでしょうか?
自分がどうありたいか? について考えることの大切さ
自分がどうありたいか? について考える。
このことの大切さについて、ちょっと触れてみたいと思います。
実は、自分がどうありたいか? について考えることは、価値観が多様化してきた現代だからこそ大切になってきた。
と、私は考えています。
さまざまな場面で個としての自分のありかたが求められるようになってきている
これはひとつの例にすぎませんが、例えば夫婦関係について。
下記のアンケートによると、以前にくらべて「夫婦はお互いの自由時間に干渉すべきではない」という考えかたが強まってきているようです。
生活者1万人アンケート(8回目)にみる日本人の価値観・消費行動の変化(PDF)
同じ家に暮らすことが当たり前の夫婦であっても、個人としてお互いのありかたを尊重するようになってきている。
これは逆にいえば、ひとりひとりが自分のありかたを考えることが求められている、とも言えるでしょう。
もちろん、夫婦関係に限りません。
さまざまな場面で「個としてのありかた」が求められるようになってきる、と感じるのは、私だけではないと思います。
自分がどうありたいか? を知るべきとき
じゃあ、自分のありかたを知るべきときは、どんなときでしょうか?
個人的には、次の3つが大きなタイミングとしてあげられると思っています。
- 人生の転機
- 社会の大きな変化や天変地異による変化
- 周囲のことが気になってしまうとき
次に例をあげて説明しましょう。
1) 人生の転機
あなたも進学や就職、結婚や出産などで、生活が大きく変わった経験があるはずです。
そのときは、あまり意識しなかったかもしれません。
でも実はそのたびに、「自分のありかた」は変化しています。
特に現代の女性は、「働く自分・女性としての自分・母としての自分」といったように、さまざまな自分のありかたが求められるといえるでしょう。
2) 災害や天変地異、社会による影響
災害や天変地異、社会全体の大きな変化に遭遇する。
そんなときも、自分がどうありたいか? について考えるきっかけとなります。
例えば、新型コロナウイルスの影響によって生活が変化した場合なども、当てはまるでしょう。
3) 周囲の評価を気にしすぎてしまう
生活や社会の変化とは別に、自分の中にもきっかけがあります。
例えば、周囲の評価を気にしすぎてしまうなどが、それです。
他人にどう見られているかを気にする。
これは本当は、良いことです。
でも、気にしすぎてしまうと、よくありません。
こういうときは、自分のありかたについて、よく見つめなおす必要があるでしょう。
自分がどうありたいか? を知らないでいるとどうなる?
では、「自分がどうありたいか?」について、よく知らないままでいるとどうなるでしょうか?
実は、人生で同じような問題に何度もぶつかるようになってしまいます。
例えば、父としての自分と、ひとりの男性としての自分。
自分のありかたについてわかっていないことで、この「ふたつの自分」に折りあいがつけられなくなってしまう。
その結果、家庭をかえりみずに趣味や遊びに没頭してしまったり、逆に、家庭に縛られすぎてストレスをためてしまったりする。
また例えば、就職や転職といった、生活が大きく変わるイベントにぶつかったとき。
新しい生活の中での「自分のありかた」をうまく見つけられないと、気分の落ち込みや、うつ的な症状などに襲われてしまうこともあります。
自分がどうありたいか? がわかっていないと自分がどんな問題にぶつかっているかもわからない
ここで強調しておきたいのは、
- 自分のありかたがわからないと、自分がどんな問題にぶつかっているかもわからなくなってしまう
ということです。
何度も同じような問題をくり返してしまう人、社会的には成功しているはずなのに満たされない人。
もしかしたらそんな人は、自分が本当はどうありたいのか? がわかっていないのかもしれません。
自分が「何をやりたいか」と「どうありたいか」はどう違う?
次に、
- 自分が何をやりたいか?
- 自分がどうありたいか?
の違いについても見ていきましょう。
やりたいことをやる特徴とは
まず「何をやりたいか」について。
自分は何をやりたいかを、自由に決められることをを「自己決定権」といいます。
憲法では、自己決定権は幸福追求権の一部として考えられています。
つまり、何をやりたいのかを自分で自由に決めることは、幸福を追求することにつながることであり、それは権利として尊重されているということです。
例えば少し前までは、マイカー、マイホームなどを購入することが幸せのひとつのかたちとして認識されていました。(いまでもそうかもしれませんが)
その結果、高いものを買えることがステータスである、というような認識もひろがったといえるでしょう。
しかし実は、欲しいものを購入しても、幸せはそれほど長続きしません。
これは達成についても同じで、そのときの幸福感や興奮した感覚は、すぐに消えていってしまいます。
何をやりたいかを自分で決めて、そのためにものを買ったり、達成したりする。
これは現代ならではの体験ですが、幸せの追求という観点からみると、その効果はあまり続かないようです。
自分であることの特徴とは
それにひきかえ自分のありかたを大切にした行動は、幸福感や充実感が持続しやすいといわれています。
自分がどうありたいかとは、自分ならではの価値観を見つけ、アイデンティティを構築していく作業でもあります。
そして、自分が大切にしたいと思える価値観に基づいた行動をとると、持続的な幸福感や充実感が得られるといわれているのです。
このように見てみますと、何がやりたいかと、どうありたいかは、どちらも大切なものである、といえるでしょう。
自分がどうありたいかの大切さとは?
自分がどうありたいか?
この大切さについて、ここまでの内容をわかりやすくまとめておきましょう。
ひとことでいえば、自分がどうありたいかが定まっていれば、人生の変化に対応しながらも自分らしく生きていくことができるといえます。
- 自分のことを自分で決めなくてはいけない現代では、自分のありかたも自分で決める必要がある
- 人生が変化するたびに、それに対応して「自分がどうありたいか」をアップデートしていくことが大切
- 自分がどうありたいかが定まっていれば、変化に対応しながらも自分らしく生きていくことができる
次はここまでの内容を踏まえて、「自分がどうありたいか? の見つけかた」を説明します。
自分がどうありたいか? を見つける方法
ここからは、自分がどうありたいか?の見つけかたについて、説明します。
はじめに、結論からお話しします。
下図の大きなピンクの円ように、さまざまな自分を包含できるような、「自分が大切にしたいと思える価値観」を見きわめることが大切になってきます。
自分にはいろいろな顔がある。
けれどそれらはバラバラではなくて、自分が大切にしたい価値観によってつながっている。
そんな風に考えてみてください。
では、具体的な自分のありかたを見つけるエクササイズご紹介しましょう。
あなたが大切にしている価値観から自分がどうありたいかを見つける
実は普段の私たちは、意識していない心の奥にある信念に従って行動しています。
この心の奥にある信念のことを「価値観」といいます。
例えばあなたが、「他人とは仲良くするべき」という価値観を大切にしていたとします。
すると自分で無意識のうちに、それに従った選択と行動をするようになります。
ということは、
- あなたが大切にしている価値観を見つけることで、自分ががどうありたいか? を見つけるヒントを得ることができる
といえるでしょう。
自分の価値観を見きわめることのメリット
自分の価値観を見きわめることには、大きなメリットがあると言われています。
ある実験によりますと、自分が大切にしたい価値観を10分間ほど書きだしただけで、そのあと何ヶ月も、ときには何年もの間、効果が続いたそうです。
その効果とは、
- 自信が強まる
- ストレスに対処できるようになる
- 落ち着きが生まれる
- 周囲の人に対する愛情や思いやりが深まる
- くよくよ悩まなくなる
- 自制心が高まる
などです。
ぜひあなたもこの機会に、下記のエクササイズに取り組んでみてください。
あなたが大切にしている価値観から「自分がどうありたいか」を見つけるエクササイズ
それでは実際に、あなたが大切にしている価値感をみつけるエクササイズをしてみましょう。
ここでは、シャローム・シュワルツという人が考えた「10の価値観」のリストを紹介します。
この「10の価値観」は、発表後も多くの研究によって評価されている、信頼価値の高いリストだそうです。
Step1 リストを見て、あなたが大切にしたいと感じる価値観を探してみましょう
いくつ選ぶかは自由です。
例えば私なら、「自律・博愛・善行」という感じでしょうか。
わかりにくい場合は、こういう価値を大切にできる自分でありたいと思えるものを選んでみましょう。
リストにない場合は、自分で創ってもかまいません。
Step2 あなたが大切にしたいと感じる価値観に従って、日々の生活を送るためにはどうしたらいいか考えてみましょう
例えば「善行」を大切にしたいと思ったら、一日一回、他人に親切にしてみる。
このような具体的な行動に取り組んでみましょう。
価値観を大切にした行動をしていくことで、自分がどうありたいかが、より明確になっていくはずです。
さらにその行動は、あなたの幸福感や充実感を持続的に高めてくれる可能性があります。
まとめ:「自分がどうありたいか?」の大切さと具体的な見つけ方
この記事では、「自分がどうありたいか」を見つけるための一歩として、価値観をハッキリさせる方法を紹介しました。
私自身は、仕事での自分のありかたについて悩んできました。
そのときの体験を活かして、この記事を読んでくださった方に、働きかたタイプの診断を提供しています。