空白を満たしなさい

2012年の大晦日から2013年の新年にかけては、この本をひたすら読んでいました。

年があける瞬間の感慨や祝福気分も関係なく、テレビも「第九」の数分を見たくらいで、まったく静かな年越しとなりましたが、それ以上に読書できる時間という幸せを感じていました。

そう、こんなに素晴らしい小説には、おそらくそうそうは出会えないんじゃないかなあ。

読みはじめはなんとなくエンターテイメントっぽい感じが強いような印象でした。また物語の途中では、作者である平野さんが提唱している「分人主義」についての説明的な部分もおりまぜられ、いままでの作品を読んできている身からすると、ちょっと冗長な感じを受けました。

(分人主義については、平野啓一郎さんのブログ記事に自身による解説があります)

しかし最後の数十ページは文字を追うのが難しいくらいドキドキクラクラしましたし、読み終えた後は、なんともいえず心が揺さぶられました。その余韻は、次の朝、目覚めた今でも残っています。

私の感想が正しいかどうかはわかりませんが、「新しくて普遍的な小説だ」と感じました。

このように心が揺さぶられ、考えさせられ、その後の私の人生にもなんらかの影響を与えてしまうであろう小説には、やっぱりそうそうは出会えない気がします。

『空白を満たしなさい』、刊行! – 平野啓一郎 公式ブログ

「空白を満たしなさい」– 講談社BOOK倶楽部による公式サイト

そしてこれはたぶん、「読書」じゃないと味わえない体験なんじゃないかな、とも思います。